ChatGPTの新機能、結局どれが仕事で使える?小さな会社なら「毎週同じ説明をしない機能」から試したい

ChatGPTに新しい機能が増えるたび、「結局、仕事では何を使えばいいの?」と迷っていませんか。

社員30人くらいまでの会社で、毎週の報告書を作っている経営者や担当者に向けて、実際の業務で使いやすい機能を整理します。
今回の結論は、高度なAI機能を追いかけるより、毎週の仕事を覚えておける「プロジェクト」機能から始めるということです。
新機能が増えても、仕事が減るとは限らない
ChatGPTには、Web検索、ファイル分析、Deep research、プロジェクト、Workなど、さまざまな機能があります。
調べ物をしてくれるだけでなく、資料を作ったり、複数の作業を進めたりできるようになっています。
これは便利です。
ただ、中小企業で使うことを考えると、少し違う問題があります。
「どの機能がすごいのか」よりも、「今の仕事のどこが楽になるのか」が見えにくいのです。
例えば、毎週金曜日に営業の進捗報告を作っている会社を考えてみます。
担当者は、売上の数字を確認し、案件の状況を整理し、先週からの変化をまとめます。
それをChatGPTに渡して文章を整えてもらう。
ここまでは、普通のチャットでもできます。
しかし、翌週になると、また同じ説明から始めていないでしょうか。
「これは社長向けの報告です」
「売上、進捗、課題、来週の予定の順番で書いてください」
「文章は短く、数字を中心にしてください」
文章を作る作業は減っても、AIへの説明が毎回残っている。
私は、ここに改善の余地があると考えています。
まず知っておきたいChatGPTの機能
2026年10月29日時点のOpenAI公式情報を確認すると、仕事で注目したい機能には、それぞれ違う役割があります。
ChatGPTのプロジェクト
関連するチャット、参考資料、指示を1か所にまとめられる機能です。
毎週の報告書のように、同じ前提を使って繰り返す仕事に向いています。
Deep research
複数の情報源を調べ、出典付きの調査レポートを作る機能です。
市場調査や競合分析など、調べること自体に時間がかかる仕事に向いています。
ChatGPT Work
ファイルや連携アプリなどを使い、調査、分析、資料作成といった複数の工程を進める機能です。
完成した資料まで作りたい場合に候補になります。
機能の提供範囲や利用回数は、契約プランや組織の設定によって異なります。
公式情報:
- ChatGPTのプロジェクト
- Deep research
- ChatGPT Work
では、毎週の営業報告にはどれを使うべきでしょうか。
私なら、まずプロジェクトを選びます。
理由は単純です。
毎週の報告では、外部の情報を大量に調べることよりも、会社の報告ルールを毎回説明しなくて済むことのほうが、直接的な改善につながるからです。
プロジェクトは「会社の仕事を覚えておく場所」
プロジェクトの特徴は、関連する資料と指示をまとめておけることです。
例えば「営業週次報告」というプロジェクトを作り、報告書の書き方を設定します。
通常のチャットでは、毎回説明していた内容を、プロジェクトの共通指示として登録できます。
これによって、毎週ゼロから書き方を伝える必要が減ります。
ただし、ここで勘違いしてはいけないことがあります。
プロジェクトを作っただけで、営業の数字を自動で取得してくれるわけではありません。
今週の売上や案件の進捗など、変化する情報は毎回渡す必要があります。
つまり、次のように役割を分けます。
- 固定する情報:報告の目的、読み手、見出し、文章のルール
- 毎週渡す情報:売上、案件の進捗、発生した課題、翌週の予定
- 人が判断する情報:数字の正確性、課題の重要度、経営判断
この区別ができれば、ChatGPTに何を任せるべきかが明確になります。
実際に「営業週次報告」を作ってみる
ここからは、社員30人以下の会社を想定した設定例です。
特別なシステムを導入する必要はありません。
最初は、手元にある営業報告の作業をそのまま使います。
手順1:プロジェクトを作る
ChatGPTのサイドバーから「新しいプロジェクト」を選びます。
名前は「営業週次報告」にします。
これで、毎週の報告に関するチャットをまとめる場所ができます。
手順2:会社の報告ルールを登録する
プロジェクトの設定画面にある指示欄へ、次の文章を登録します。
プロジェクト用テンプレート
あなたは、社員30人以下の会社で営業週次報告を作成する担当者です。
目的は、経営者が営業状況を短時間で把握できる報告書を作ることです。
次のルールを守ってください。
- 見出しは「売上状況」「案件の進捗」「課題」「来週の予定」の順番にする
- 数字がある場合は具体的に書く
- 事実と推測を区別する
- 入力されていない情報を補わない
- 不足情報は「未確認」と明記する
- 文章は短く、結論から書く
- 最後に、人が確認すべき項目を示す
これが、毎週共通して使うルールです。
手順3:今週の情報だけを渡す
次に、プロジェクト内のチャットへ今週の情報を入力します。
例えば、次のような内容です。
入力例(架空の数字です)
今週の営業報告を作成してください。
- 今週の売上:120万円
- 先週の売上:100万円
- 商談中:5件
- 新規受注:2件
- 課題:見積もり回答が遅れている案件が1件
- 来週:既存顧客への提案を3件予定
すると、登録したルールに沿った報告書の下書きを作れます。
重要なのは、毎回「どんな構成で書くか」を長々と説明しなくてよい点です。
翌週も、同じプロジェクトで新しい数字を渡せば、共通ルールを再利用できます。
手順4:提出前に人が確認する
ここは省略できません。
ChatGPTが文章をきれいに整えても、元の数字が正しいとは限らないからです。
売上120万円という数字を入力した場合、ChatGPTはその数字を使って報告書を作れます。
しかし、その120万円が実際の会計データと一致しているかは、別の確認が必要です。
見た目が整った報告書ほど、確認せず提出してしまいやすい点には注意したいところです。
新機能を使う前に、情報の扱いも決めておく
プロジェクトが便利でも、会社の情報を何でも登録してよいわけではありません。
営業報告には、顧客名、見積金額、契約内容などが含まれることがあります。
まずは、架空データや機密性の低い情報で試すことをおすすめします。
実データを扱う場合は、契約プラン、データ利用設定、会社のルールを確認してください。
プロジェクトに保存した資料や会話は、利用状況に応じて管理する必要があります。
また、プロジェクトを複数人で共有するときは、参加者が閲覧できる情報の範囲にも注意が必要です。
便利な機能を使うことと、必要以上に情報を渡すことは別です。
仕事に必要な情報だけを渡す。
この原則は、新しい機能でも変わりません。
本当に効果があるかは、作業時間で判断する
新機能の評価で避けたいのが、「すごい文章ができた」という感想だけで終わることです。
仕事で使うなら、確認したいのは作業時間です。
例えば、導入前後で次の時間を測ります。
- 導入前:数字の整理から報告書の完成まで
- 導入後:数字の入力、AIによる下書き、確認・修正が終わるまで
ここでは、AIが文章を出力するまでの時間だけを測ってはいけません。
確認や修正に時間がかかっていれば、業務全体は短縮していない可能性があります。
さらに、数字の転記ミス、未確認の記述、修正の回数も見ておきます。
仮に報告書の完成が早くなっても、間違った情報を社長に提出してしまったら意味がありません。
大切なのは、AIを使った時間ではなく、正しい報告書が完成するまでの時間です。
新機能を追いかけるより、毎週の仕事を1つ固定する
ChatGPTは、これからも機能が変わっていくでしょう。
新しい機能を知ること自体には価値があります。
ただ、小さな会社ですべてを試す必要はありません。
毎週行っている業務の中から、同じ説明や同じ書式を繰り返しているものを1つ選ぶ。
そのルールをプロジェクトに登録する。
そして、毎週変わる情報だけを入力する。
まずは、それで十分です。
今日やることは1つ。「営業週次報告」というプロジェクトを作り、普段使っている報告ルールを登録すること。
次の報告書を作るとき、どの説明を省略できたか確認してみてください。
新機能の本当の価値は、機能の多さではなく、今まで繰り返していた作業をどれだけ減らせるかにあると思います。
もっと具体的な手順とテンプレートが必要な方へ
営業週次報告の入力項目の整理、AIによる下書き、提出前の確認までを、実務で繰り返し使える形にする方法もあります。
こうした作業を社内で回せる形にまとめた有料記事を用意しています。

この記事の続きを、社内で回せる形にまとめました
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