ブログ

BLOG

ホーム>ブログ>AIで作った求人票、条件は正しいのに応募が来ない。「うちで働きたい」が伝わらない理由

AIで作った求人票、条件は正しいのに応募が来ない。「うちで働きたい」が伝わらない理由

ChatGPTで求人票を作ったのに、思うように応募が集まらない。そんな悩みを持つ中小企業の経営者や採用担当者に向けた記事です。

この記事を読む理由
この記事を読む理由

給与も勤務時間も仕事内容も正しい。それなのに、なぜ応募者の心に響かないのでしょうか。

今回は、AIが作った求人票に足りないものと、応募者が働く姿を想像できる文章への直し方を考えます。

条件は間違っていない。でも、会社の顔が見えない

社員20人ほどの会社で、事務スタッフを1人採用するとします。

採用担当者は忙しく、求人票を一から書く時間がありません。そこでChatGPTに依頼します。

「一般事務の求人票を作成してください。月給23万円、土日祝休み、未経験歓迎、Excelを使った業務があります」

すると、こんな文章が出てきます。

AIが作成した求人票の例

「当社では、事業拡大に伴い一般事務スタッフを募集しています。アットホームな職場環境で、未経験の方も安心して働けます。主な業務はデータ入力、電話対応、書類作成などです。チームワークを大切にしながら、一緒に成長していきましょう」

文章としては自然です。

募集条件も、指示した範囲では間違っていません。求人票の下書きを短時間で作るという目的なら、十分役立ちます。

ただ、採用担当者として読み直してみてください。

この文章を読んで、あなたの会社で働く1日が想像できるでしょうか。

おそらく、難しいと思います。

「アットホーム」「未経験でも安心」「チームワークを大切にする」。どれも印象のよい言葉ですが、別の会社の求人票にもそのまま使えてしまいます。

ここが、AIで求人票を作るときに見落としやすい部分です。

求職者は、条件だけでなく「自分が働く姿」を考えている

求人票には、給与、勤務時間、休日、勤務地など、必ず伝えるべき情報があります。

これらは応募を検討するための基本条件です。正確に記載しなければなりません。

しかし、条件を満たしている会社が複数あったら、求職者は何を基準に選ぶでしょうか。

例えば、未経験から事務職に転職したい人を考えてみます。

その人は求人票を読みながら、こんなことを気にしているかもしれません。

  • Excelが得意でなくても仕事についていける?
  • 入社直後から電話対応を任される?
  • 分からないことを質問できる人はいる?
  • 毎日どんな流れで仕事をする?

もちろん、全員が同じことを気にするわけではありません。

ただ、「自分にもできそうか」「どんな環境で働くのか」という疑問は、応募するかどうかを考える材料になります。

ここで先ほどの求人票を見ると、「未経験でも安心」と書いてあります。

でも、なぜ安心できるのかが書かれていません。

これでは求職者が自分で想像するしかありません。

AIが間違えたというより、AIに渡した情報が足りなかったのです。

AIは会社の本当の働き方を知らない

私は、求人票でAIに任せるべきことと、人間が伝えるべきことを分けて考えるのがよいと思います。

AIが得意なのは、情報の整理、文章の構成、読みやすい表現への修正です。

一方、会社の実際の雰囲気や、入社後の細かな仕事の進め方は、担当者が伝えなければ分かりません。

例えば、次の情報です。

「最初の2週間は先輩社員が隣で入力作業を確認する」

「電話対応は、基本的な入力作業を覚えてから担当する」

「午前中は受注データの入力、午後は請求書の確認を行う」

これは、実際にそういう運用をしている会社なら、求人票に書く価値のある情報です。

単なる「未経験歓迎」よりも、仕事の具体的なイメージが伝わります。

ただし、実施していない研修やサポート体制を、魅力的に見せるために書いてはいけません。

AIに会社の魅力を創作させるのではなく、実際の働き方を分かりやすく説明させる。

この違いが重要です。

「アットホーム」を消すだけでは不十分

求人票を改善するとき、「抽象的な表現を具体的にしましょう」と言われることがあります。

それ自体は正しいのですが、具体的な数字や行動を増やせば、必ず魅力的になるわけではありません。

例えば、次の文章です。

「従業員20人の少人数で、社員同士の距離が近い職場です」

人数は具体的になりました。でも、求職者が知りたいのは、社員の人数だけでしょうか。

むしろ、その人数だからこそ、どんな働き方になるのかが知りたいはずです。

仮に、実際にそうした職場なら、

「事務担当は3人です。分からない作業は同じ部署の先輩に確認しながら進めます」

と書く方が、入社後の状況を想像しやすくなります。

大切なのは数字を足すことではありません。

求職者の疑問に答える情報を足すことです。

小さな会社には、大企業のような充実した制度がない場合もあります。

だからといって、無理に立派な言葉で飾る必要はありません。

実際の仕事の進め方や、どこまでサポートできるかを正直に伝えることが、入社後の認識のずれを減らすことにもつながります。

求人票を直すなら、AIにこの質問をさせてみる

ここからは、今日そのまま試せる方法です。

AIに「もっと魅力的な求人票にして」と頼むのではなく、求職者の立場で、分からないことを質問させます。

これなら、採用担当者が最初からすべての文章を考える必要はありません。

ChatGPTに入力するテンプレート

以下の求人票を、応募を検討している未経験者の立場で読んでください。

目的は、文章を飾ることではなく、入社後の働き方が伝わる求人票に改善することです。

次の順番で対応してください。

  1. 求職者が応募前に不安に感じそうな点を4つ挙げる。
  2. それぞれについて、求人票のどの情報が不足しているか説明する。
  3. 採用担当者に確認すべき質問を4つ作る。
  4. 回答を受け取った後、確認済みの事実だけで求人票を修正する。

確認していない研修制度、福利厚生、職場環境、実績は作らないでください。

【求人票】

ここに現在の求人票を貼り付ける。

この方法のポイントは、AIにいきなり完成品を作らせないことです。

最初に、応募者が疑問に感じそうな部分を見つけさせます。

例えば「未経験でも安心」と書いてあるなら、AIは「入社後、誰がどのように仕事を教えるのか」と質問するかもしれません。

採用担当者は、実際の運用を確認して答えます。

その回答をもとに文章を直すことで、事実に基づいた求人票に近づけられます。

会社の内部情報を入力する際は、社内のAI利用ルールを守り、不要な個人情報や機密情報は除いてください。

修正前と修正後では、何が変わるのか

先ほどの事務スタッフの求人票を例にします。

以下は、働き方に関する情報が確認できたと仮定した修正例です。

修正前

「未経験の方も安心して働けます。アットホームな環境で、先輩スタッフが丁寧にサポートします」

修正後(想定例)

「入社後は受注データの入力から始めます。最初の2週間は先輩社員が入力内容を確認し、操作に慣れてから請求書の作成や電話対応を担当します」

どちらも未経験者に向けた文章ですが、伝わる内容が違います。

修正前は「安心できる会社です」という会社側の評価です。

修正後は「入社したら何から始めるのか」という具体的な説明です。

これなら求職者は、自分が働く場面を考えやすくなります。

ただし、この修正で応募数が増えると断言はできません。

応募数には、給与水準、勤務地、掲載媒体、募集時期なども影響するからです。

それでも、仕事内容への理解を深め、応募前の疑問を減らすという意味では、改善する価値があります。

応募者に響く文章は、きれいな文章とは限らない

生成AIは、整った文章を作るのが得意です。

だからこそ、何も考えずに求人票を作らせると、似たような表現が並びやすくなります。

「働きやすい職場」「成長できる環境」「充実したサポート」。

一見すると魅力的です。

でも、求職者にとっては、その言葉が何を意味するのか分からない場合があります。

私は、求人票の完成度を判断するときに、文章の上手さよりも次の問いを優先したいと考えています。

「この文章を読んだ人は、自分がここで働く姿を具体的に想像できるか?」

答えが曖昧なら、まだ説明が足りない可能性があります。

求人票は、会社をよく見せるためだけの広告ではありません。

求職者が、その仕事に応募するかどうかを判断するための情報でもあります。

会社に合う人に応募してもらうためには、よい部分だけでなく、実際に担当する仕事や求められる役割も伝える必要があります。

今日やることは、求人票の一文を直すだけ

今ある求人票を全部書き直す必要はありません。

まず、ChatGPTで作った求人票から「未経験でも安心」「働きやすい環境」など、具体的な説明がない一文を選んでください。

そしてAIに、こう質問します。

「この一文を読んだ応募者が、具体的に知りたくなることは何ですか?」

出てきた質問に、会社の事実で答える。それを求人票の一文に反映する。

まずは、それだけで十分です。

AIに任せるのは、会社を魅力的に見せるための創作ではなく、会社の本当の姿を、応募者が理解できる言葉に変えること。

その視点で、一文から見直してみてください。

もっと具体的な手順とテンプレートが必要な方へ

求職者の疑問の洗い出しから、採用担当者への確認、事実に基づく求人票の修正まで。こうした作業を毎回ゼロから考えず、社内で回せる形に整理した有料記事があります。

読後の実行チェック
読後の実行チェック

この記事の続きを、社内で回せる形にまとめました

この記事で扱った話の続きとして、問い合わせ・Excel・研修・採用・SNSにそのまま使えるプロンプトとテンプレ、社内のAI利用ルール雛形、使い始める前の安全チェック、30日の導入計画までを1本にまとめました。

【保存版】社員30人までの会社が生成AIを毎日の業務に載せる8ステップ(500円)

→ https://note.com/arista_inc/n/n7c6f6fb980b2

← 記事一覧へもどる

「うちの場合はどうすれば?」と思ったら

記事に書ききれない、会社ごとの事情に合わせたやり方もあります。相談は無料です。

相談してみる(無料)