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iPhoneの「ウイルスに感染しました」は本物か偽物か:見分け方6点と、本物の通知が出る場所

最終更新

iPhoneでウェブサイトを見ている途中に「ウイルスに感染しました」「バッテリーが深刻に損傷しています」「今すぐ対処してください」という画面が出て、警告音が鳴り、残り時間のカウントダウンが動き出す。このページは、その画面が本物か偽物かを、自分で判断するためのものです。

先に結論だけ書きます。ブラウザ(Safari・Chrome など)の画面に出た警告は、iPhoneが出したものではありません。それはただのウェブページで、文字と音と数字が並んでいるだけです。iPhoneは、ウイルスの感染をウェブページで知らせる仕組みを持っていません。本物の注意喚起は、あとで述べるとおり設定アプリの中に静かに置かれます。

このサイトには似た記事が2本あります。読み分けは次のとおりです。すでに警告が画面に張り付いて消せなくなっている方は「消し方」の記事へ、本当に感染していないかを確かめたい方は「感染の確認」の記事へ進んでください。このページは、その手前にある「そもそもこの警告は本物なのか」という判断だけを扱います。判断がつけば、たいていの場合、何も入れず何も払わずに終わります。

当サイトは携帯電話会社にもセキュリティ会社にも修理店にも属していません。ですから「うちのアプリを入れてください」「持ち込んで診断させてください」とは書きません。以下は、どの携帯電話会社・どのiPhoneをお使いの方でも同じようにたどれる手順です。すでに表示された番号に電話をかけてしまった方、言われたとおりに操作してしまった方は、手順5を先に読んでください。

先に結論

  • ブラウザの画面に出た「ウイルスに感染しました」は、ほぼすべて偽物です。ウェブページは、あなたのiPhoneの中を調べることができません。
  • 偽物には共通する6つの特徴があります。煽り文・カウントダウン・警告音・不自然な日本語・電話番号の掲示・個人情報の入力要求。1つでも当てはまれば偽物と考えてかまいません。
  • 本物の注意喚起が出る場所は決まっています。設定アプリの中の「パスワード」にある侵害されたパスワードの案内や、Appleから届く正規の通知です。ブラウザの画面には出ません。
  • 何も入力せず、何も入れず、電話もしていないなら、そのページを閉じるだけで終わりです。アプリの追加も初期化も再起動も要りません。
  • 電話をかけた、操作を許した、支払った。どれかに当てはまる場合は、手順5の窓口(IPAの情報セキュリティ安心相談窓口・消費者ホットライン188・警察相談専用電話#9110)に相談してください。相談は無料です。

手順1 偽の警告に共通する6つの特徴を確かめる

上から順に見ていってください。1つでも当てはまったら、その画面は偽物です。全部そろっている必要はありません。

逆に言えば、本物のシステムからの案内は、この6つのどれもやりません。ここが判断の分かれ目です。

  1. 不安をあおる強い言葉が並んでいる

    「深刻な損傷」「ただちに」「危険な状態です」「このままでは個人情報が流出します」。本物のiPhoneの案内は、こうした言い方をしません。設定アプリの表示は淡々としていて、驚かせる書き方をしません。

    感染した件数、検出されたウイルスの名前、危険度の星マークなど、具体的に見える数字が並んでいることもあります。ウェブページは端末の中身を調べられないので、その数字はどこからも来ていません。

  2. 残り時間のカウントダウンが動いている

    「あと4分58秒でデータが失われます」のように、秒が減っていく表示が出ます。これは考える時間を与えないための仕掛けです。

    iPhoneが利用者に何かを求めるとき、制限時間を付けることはありません。時間が減っていく表示を見た時点で、それは広告やウェブページの作り物だと判断してかまいません。

  3. 警告音・振動・読み上げが始まる

    ビープ音が鳴り続ける、音声で警告を読み上げる、振動する。いずれもウェブページから再生できるものです。音が出たから本物、ということはありません。

    音はあわてさせるために置かれています。まず音量ボタンを下げて音を消してください。音が消えるだけで、判断が落ち着いてできるようになります。

  4. 日本語がどこか不自然、表記がそろっていない

    「あなたのiPhoneは3個のウイルスによって感染されました」のように、助詞や数え方がずれた文が混じります。半角と全角が混ざっていたり、句読点が抜けていたりもします。

    会社名やOS名の表記が正しくないこともよくあります。Appleの正式な表記と一字でも違う名前が出ていたら、それは正規の案内ではありません。

  5. サポートの電話番号が大きく載っている

    これが最も分かりやすい特徴です。Appleが、感染の警告画面に電話番号を書いて「今すぐお電話ください」と促すことはありません。番号が載っている警告は偽物です。

    「マイクロソフト認定技術者」「Apple正規サポート」といった肩書きが添えられていることもありますが、画面上の肩書きは誰でも書けます。番号が出ている、その一点で判断してください。

  6. 個人情報やアカウントの入力を求めてくる

    Apple Accountのパスワード、クレジットカード番号、住所、氏名、電話番号を入力させる画面が続けて出ます。ウイルスを除去するために、これらが必要になることはありません。

    「無料で診断します」と書いてあっても、入力欄が出た時点で入力せず閉じてください。カード番号の入力は、この手口の目的そのものです。

注意:画面いっぱいに表示されて閉じるボタンが見つからない、というのも偽物の特徴です。本物のシステムの案内は、必ず閉じることができます。閉じられない画面の閉じ方は手順3に書きました。

手順2 本物の注意喚起はどこに出るのかを知っておく

「では本物はどこに出るのか」を知っておくと、次に同じ画面を見たとき一瞬で見分けられます。出る場所は限られています。

共通しているのは、いずれも設定アプリやOSの通知として静かに出るという点です。ブラウザで見ているページの上に、大きな赤い警告として現れることはありません。

  1. 設定アプリの中の「パスワード」に出る案内を見る

    iPhoneには、保存したパスワードが外部に流出した名簿に含まれていないかを照合し、該当したものを知らせる仕組みがあります。これは設定アプリの中の「パスワード」を開き、セキュリティに関する項目を見たときに、そこに並んで出ます。

    この案内は「侵害されたパスワード」「漏洩したパスワード」といった落ち着いた言い方で、該当するサービス名が一覧で並ぶだけです。カウントダウンも音も電話番号もありません。これが本物の見た目です。

  2. Appleからの連絡は設定アプリとメールで確認する

    Apple Accountに不審なログインがあった場合などの連絡は、端末の通知と、アカウントに登録したメールアドレスに届きます。確認するときは、届いたメールのリンクを押すのではなく、設定アプリからアカウントの画面を自分で開いてください。

    Appleの正規の案内は、パスワードや認証コードを電話で聞いたり、画面共有を求めたりしません。求めてきた相手は、Appleではありません。

  3. アプリの安全性に関する判断はOSが黙って行っている

    iPhoneのアプリは審査を通ったものが配布され、各アプリは互いのデータに触れられない仕組みで動いています。そのため、パソコンのような「ウイルスに感染したので駆除する」という作業そのものが、通常の使い方の中では発生しません。

    つまり、駆除アプリを入れるよう促す警告は、前提からして成り立っていません。無料の駆除アプリを入れさせて、そのあと課金へ進ませるための入口です。

  4. 迷ったら公的機関の注意喚起と見比べる

    この手口は「サポート詐欺」という名前で、警察庁とIPA(情報処理推進機構)が継続して注意を呼びかけています。実際の画面の例や、電話をかけたあとの流れが公開されています。

    この記事の末尾に、その公式ページへのリンクをそのまま置いてあります。自分が見た画面と見比べれば、同じ型であることがすぐ分かります。

注意:「iPhoneにはウイルス対策アプリが必要」と書かれた記事や広告を見て不安になった場合も、判断の基準は同じです。設定アプリに何も出ていないなら、対処すべきことは起きていません。

手順3 ページを閉じるだけで済むケースと、その閉じ方

次の3つすべてに当てはまるなら、やることはページを閉じることだけです。何も入れず、何も初期化せず、誰にも電話しないでください。

①表示された番号に電話していない ②パスワードやカード番号を入力していない ③案内されたアプリを入れたり、プロファイルの追加を許したりしていない。

  1. まず音を消して、指示された操作を止める

    音量ボタンを下げるか、マナーモードにしてください。音が消えると、画面の文字がただの文字として読めるようになります。

    画面の中のボタンは、閉じるボタンに見えるものも含めて押さないでください。「×」と書かれた部分が、実際には次のページへ進むリンクになっていることがあります。

  2. タブそのものを閉じる

    Safariの場合は、画面の下(または上)にあるタブの一覧を開くボタンを押し、該当のタブを閉じてください。ページの中のボタンを押すのではなく、ブラウザ側の操作でタブを消すのが安全です。

    タブの一覧が開けないほど画面が覆われている場合は、ホーム画面に戻ってからブラウザを完全に終了させ、もう一度開いてタブを閉じます。

  3. 同じ画面が繰り返し出る場合は履歴とデータを消す

    設定アプリからブラウザの項目を開き、履歴とウェブサイトデータを消去してください。前に見ていたページが自動で復元されて、同じ警告が出続けるのを止められます。

    消去するとログイン状態が解除されるサイトがあります。よく使うサービスのパスワードが分からなくなりそうな場合は、先に確認してから行ってください。

  4. カレンダーや通知から出ている場合はその購読を削除する

    ブラウザを閉じても警告が出続ける場合、カレンダーに勝手に予定として登録されていたり、サイトからの通知が許可されていたりすることがあります。

    カレンダーアプリで身に覚えのない購読中のカレンダーを削除し、設定アプリの通知の一覧から見慣れないサイトの通知を切ってください。これで出なくなります。

  5. 再起動と初期化は必要ありません

    ページを閉じれば終わりなので、端末の初期化は不要です。初期化すると写真や連絡先が消えるため、慌てて実行しないでください。

    「初期化しないと直りません」と電話口で言われた場合、それは相手が何かを売るための説明です。信用しないでください。

注意:画面を閉じたあと、しばらく経ってから同じ警告が別のサイトで出ることがあります。これは広告の枠から配信されているためで、あなたのiPhoneが感染しているわけではありません。同じように閉じてください。

手順4 二度目に迷わないための準備をしておく

判断のつく人でも、疲れているときや急いでいるときは一瞬迷います。先に決めておくと、迷う時間そのものが無くなります。

  • 「警告画面に書かれた電話番号にはかけない」を家の決まりにしてください。判断の基準がこれ1つになると、内容を読まずに済みます。
  • 同居していない家族、とくに高齢の家族には「iPhoneやパソコンの画面に出た番号には絶対にかけない、代わりに自分に電話して」と伝えておいてください。かける前に一度誰かに話せれば、この手口は成立しません。
  • アプリを入れるのは、公式のアプリ配信の仕組みを通したものだけにしてください。ウェブページから直接何かを追加するよう促されたら、そこで止めます。
  • Apple Accountのパスワードは他のサービスと別のものにし、二要素認証を有効にしておいてください。万一入力してしまった場合の被害を小さくできます。
  • OSとブラウザは更新の通知が来たら当てておいてください。偽の警告そのものは防げませんが、他の手口に使われる不具合はふさげます。
  • クレジットカードの利用明細は、月に一度でも目を通す習慣にしてください。この手口の被害は、少額の継続課金として静かに始まることがあります。

注意:「セキュリティアプリを入れておけば、この警告は出なくなる」と考えて有料のアプリを契約する必要はありません。偽の警告はウェブページの表示なので、端末側のアプリでは止まりません。判断の基準を決めておくことが、いちばん確実です。

手順5 電話をかけた・操作を許した場合の相談窓口

ここからは、すでに何かをしてしまった場合です。順番に読んでください。早いほど被害は小さくなります。

相談はいずれも無料です。お金を払っていなくても、途中でやめた場合でも、相談してかまいません。

  1. まだ話している途中なら、説明せずに電話を切る

    「切ると手遅れになります」「今なら無料です」と言われても切ってかまいません。相手はこちらに考える時間を与えないために話し続けています。

    切ったあとに何度もかかってくることがあります。出ないでください。番号を着信拒否にし、留守番電話にまわしてください。

  2. 遠隔操作のアプリを入れてしまったなら、通信を切ってから削除する

    画面共有や遠隔サポートのアプリを入れた、プロファイルの追加を許した場合は、まず機内モードにするかWi-Fiを切って通信を止めてください。操作されている状態を止めるためです。

    そのうえで該当のアプリを削除し、設定アプリからプロファイルが追加されていないかを確認して、見慣れないものを削除します。削除の手順に不安がある場合は、この節の相談窓口に電話しながら進めてください。

  3. パスワードやカード番号を伝えたなら、その場で止める

    Apple Accountやメールのパスワードを伝えた場合は、別の端末からパスワードを変更し、二要素認証を有効にしてください。同じパスワードを使い回している他のサービスも変更します。

    カード番号を伝えた、支払いに使った場合は、カード会社の紛失・盗難受付へ電話して利用を止めてください。カードの裏面か、カード会社の公式サイトに番号があります。伝えた内容と時刻をメモしてからかけると手続きが早く進みます。

  4. 操作と復旧の相談はIPAの情報セキュリティ安心相談窓口へ

    「入れたアプリをどう消すか」「どこまで操作されたのか」といった技術的な相談は、IPAの情報セキュリティ安心相談窓口が受け付けています。この手口の相談が多く寄せられている窓口で、無料です。

    連絡先はこの記事の末尾のリンクから開けます。平日の日中の受付です。

  5. 支払ってしまったお金と契約の相談は消費者ホットライン188へ

    返金の交渉、結ばされた契約の解約、継続課金の停止といった相談は、消費生活センターが窓口です。局番なしの188で最寄りのセンターにつながります。

    支払いの控え、やり取りの画面、かけた電話番号と時刻を手元に用意してから相談すると話が早く進みます。

  6. 詐欺の被害としての相談は#9110、被害が出ているなら警察署へ

    「これは詐欺ではないか」という相談は警察相談専用電話#9110です。最寄りの警察本部の相談窓口につながります。

    実際にお金を支払った、カードが不正に使われたという場合は、最寄りの警察署で被害届を出してください。画面のスクリーンショット、通話履歴、支払いの控えを持参してください。捨てないでください。

注意:相談したあと「被害を取り返せます」「返金の手続きを代行します」という電話やメールが来ることがあります。これは同じ名簿を使った二次被害です。費用を求められた時点で切ってください。正規の窓口が、返金の代行手数料を先に求めることはありません。

よくある質問

警告画面にAppleのロゴが出ていました。それでも偽物ですか?
ロゴは画像なので、ウェブページに置くことは誰にでもできます。ロゴが出ていることは本物である証拠になりません。判断の基準は手順1の6点です。とくに、電話番号が書かれている、カウントダウンが動いている、この2つのどちらかがあれば偽物と考えてかまいません。Appleが、ウイルスの感染をブラウザの画面で知らせ、その場で電話をかけるよう求めることはありません。正規の案内は設定アプリの中や、アカウントに登録したメールに静かに届きます。ロゴの有無ではなく、出ている場所と求められている行動で判断してください。
ブラウザに出た警告はどうして偽物と言い切れるのですか?
ウェブページは、表示しているブラウザの中でだけ動く仕組みになっていて、端末に入っているアプリやファイルの中を調べることができません。ですから「あなたのiPhoneに3個のウイルスが見つかりました」という表示は、調べた結果ではなく、最初から画面に書いてある文字です。誰が開いても同じ数字が出ます。これは、iPhoneの各アプリが互いのデータに触れられない仕組みで動いていることの裏返しで、安全のためにそうなっています。つまり「ウェブページが端末の中を調べられない」ことが、その警告が調査結果ではあり得ない理由です。
無料と書かれていたので番号に電話しました。まだ何も払っていません。大丈夫ですか?
支払っていなければ、金銭の被害はまだ出ていません。ただし、電話がつながった時点であなたの電話番号が相手に渡っているため、後日また別の名目でかかってくることがあります。まず着信拒否と留守番電話の設定をしてください。通話中に遠隔操作のアプリを入れた、画面を共有した、パスワードを伝えたという場合は、手順5のとおりに通信を切ってアプリを削除し、パスワードを変更してください。何も入れず何も伝えていないなら、電話を切って番号を拒否するだけで終わりです。念のため、しばらくカードの明細は見ておいてください。
この記事と「警告が消えない」「感染していないか確認したい」の記事は、どう読み分けますか?
3本は目的が違います。このページは「その警告が本物か偽物か」を判断するためのもので、判断がついた時点で読み終わりです。画面に警告が張り付いて操作できない、閉じても何度も出てくるという状態が続いている場合は、消し方を扱った記事へ進んでください。すでに何かを入れてしまった、勝手に動いている気がする、といった不安がある場合は、感染の確認を扱った記事で順番に確かめてください。どちらの記事にも、このページの末尾からそのまま進めます。迷ったら、まずこのページの手順1と手順3を終えてから決めてください。
高齢の親が同じ画面を見たようです。何から聞けばよいですか?
責めずに、事実だけを順に聞いてください。①画面に書かれていた電話番号にかけたか ②カード番号やパスワードを入力したか ③言われたとおりにアプリを入れたり、追加を許可したりしたか。この3つが分かれば、どこから手を付けるかが決まります。3つすべてが「していない」なら、ページを閉じるだけで終わりです。かけた、入力した、入れたのどれかがあれば手順5のとおりに進めてください。そのうえで「画面に出た番号にはかけない、まず自分に電話して」と伝えておくと、次に同じ画面が出たときに止まります。実際にあった話は、注意喚起の文章より届きます。

今の状況に合わせて、次にすべきことを確認しましょう。

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この記事の根拠(一次情報)

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