警察官を名乗る電話・SNS連絡が来たら:本物か確かめる手順と、絶対にやってはいけないこと
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「〇〇警察署の者です」「あなたの口座が犯罪に使われています」——そんな電話が、固定電話や携帯だけでなく、SNSのメッセージや通話アプリからも届くようになりました。相手は署名と階級を名乗り、事件番号らしい数字を読み上げ、場合によってはビデオ通話で警察手帳のようなものまで見せてきます。
警察庁は、被害が急増していることを受けて、警察官などをかたるこの手口を独立した手口として扱うようになりました。特殊詐欺全体の発生状況は警察庁の公表資料で確認できます(この記事の末尾からそのまま開けます)。つまり、これは「めったにない特別な出来事」ではなく、いま最も多く起きていることのひとつです。
このページは、相手が本物かどうかを自分で確かめるための手順だけを書いています。やることは4つです。①いったん切って、自分で調べた番号へかけ直す ②通話アプリやビデオ通話への誘導に従わない ③逮捕状の画像や口座の確認を求められても応じない ④家族と警察相談専用電話 #9110 に相談する。この順番どおりに進めてください。
当サイトは、携帯電話会社にも警備会社にも属していません。ですから「うちのサービスに入ってください」とは書きません。以下は、どの携帯電話会社・どの端末をお使いの方でも同じようにたどれる手順です。いま相手と話している途中の方は、手順1だけを先に読んで、まず電話を切ってください。
先に結論
- 話の途中でも切ってかまいません。本物の警察官なら、あとからかけ直しても困ることは何もありません。
- 確認は必ず「自分で調べた番号」へのかけ直しで行います。相手が教えた番号、メッセージに書かれた番号、着信履歴の番号は使いません。
- 通話アプリの追加、ビデオ通話、画面共有を求められたら、その時点で相手は警察ではありません。本物の警察が捜査のためにそれを求めることはありません。
- 逮捕状の画像、口座番号や残高の確認、お金を預ける手続き、キャッシュカードの受け渡し。これらは1つでも出てきたら詐欺です。
- 「家族にも言わないでください」と言われたら、それが最大の合図です。すぐ家族に話し、警察相談専用電話 #9110 に相談してください。
手順1 いったん切って、公表されている番号へ自分からかけ直す
本物かどうかを確かめる方法は、結局これ1つです。相手が何を名乗っても、こちらから公式の番号へかけ直せば分かります。
警察庁も、家族をかたる電話について「いったん電話を切って、かけ直して確認する」ことを呼びかけています。相手が警察官を名乗る場合も、確かめ方は同じです。
説明せずに、いったん電話を切る
「切らないでください」「切ると捜査に支障が出ます」「あなたの立場が悪くなります」と言われても切ってかまいません。本物の警察官であれば、切られて困ることはありません。
切る前に、相手が名乗った警察署名・部署名・氏名・階級と、言われた用件をメモしてください。かけ直すときと、あとの相談で使います。
相手が伝えてきた番号は使わず、自分で番号を調べる
相手が読み上げた番号、SMSやSNSに書かれた番号、着信履歴に残った番号、いずれも使いません。表示される発信番号は本物の警察署の番号に見せかけられることがあります。
調べ方は、都道府県警察の公式サイトから該当の警察署の代表番号を見るのが確実です。警察庁のサイトに都道府県警察の連絡先一覧があります(末尾のリンクから開けます)。手元に紙の電話帳があれば、それでもかまいません。
代表番号にかけて、その人が在籍しているかを聞く
「〇〇という名前の方から、□□の件で電話をいただいたのですが、そちらに在籍されていますか」と聞くだけで十分です。込み入った説明は要りません。
在籍していない、そのような連絡はしていない、と言われたら詐欺です。その場で、かかってきた番号と時刻を伝えておいてください。
かけ直しは、できれば別の電話から行う
固定電話にかかってきた場合は、いったん受話器を置いてから少し時間をあけるか、携帯電話からかけ直してください。相手が回線をつないだままにしている可能性を考えなくて済みます。
携帯にかかってきた場合は、通話を完全に終了したことを画面で確かめてからかけ直します。
注意:「今から言う番号にかけ直して確認してください」と、相手のほうからかけ直しを勧めてくることがあります。これは信用させるための手口で、その番号は仲間につながります。かけ直す番号は、必ず自分で調べたものにしてください。
手順2 通話アプリ・ビデオ通話・画面共有の指示には従わない
最近の手口は、最初の電話やSNSのメッセージから、途中で通話アプリやビデオ通話へ移すのが特徴です。移した先で、警察手帳や身分証、制服姿を見せて信用させます。
見せられるものは、画像でも動画でも作れます。映像を見せられたことは、本物である証拠にはまったくなりません。
アプリの追加やIDの交換を求められたら、そこで終わりにする
「捜査上の秘密なので、こちらのアプリで話しましょう」と言われても応じないでください。本物の警察が、事件の連絡先として個人のSNSアカウントや通話アプリのIDを指定することはありません。
すでに友だち追加やフォローをしてしまった場合は、ブロックして削除してください。やり取りの画面は、削除する前にスクリーンショットで残しておきます。
ビデオ通話で見せられるものを、身分の証明として扱わない
警察手帳、逮捕状、身分証、部屋の様子、制服。いずれも画面越しでは本物か確かめられません。相手はこの「見せる」工程を、こちらの疑いを消すために用意しています。
確かめ方は手順1しかありません。映像を見せられた直後こそ、いったん切ってかけ直してください。
画面共有・遠隔操作のアプリを入れない
「口座の状況を一緒に確認します」「手続きを代わりに行います」と言われてアプリを入れると、端末の操作を相手に渡すことになります。ネットバンキングの送金まで行われる可能性があります。
すでに入れてしまった場合は、通信を切ってからアプリを削除し、別の端末からネットバンキングとメールのパスワードを変更してください。
長時間の通話をつないだままにしない
「監視のためにこのまま通話をつないでおいてください」「外出中も切らないでください」という指示は、家族や銀行の窓口に相談させないためのものです。
何時間も拘束されていると判断力が落ちます。いったん切って、手順4の相談へ進んでください。
注意:相手が日本語に不自然なところがない、話し方が丁寧で落ち着いている、といったことも判断材料になりません。丁寧で筋が通っているほど、用意された手口だと考えてください。
手順3 逮捕状・口座の確認・お金の預かりには応じない
ここに挙げるものは、1つでも出てきた時点で詐欺と判断してかまいません。本物の捜査で、電話やSNS越しにこれらが行われることはありません。
迷う必要はありません。当てはまったら、相手が何を言っても手順4へ進んでください。
- 逮捕状や令状の画像を送りつけてくる、画面で見せてくる。本物の令状は、警察官が本人に直接示すものです。画像を送って知らせることはありません。
- 口座番号・暗証番号・残高・ネットバンキングのIDやパスワードを聞いてくる。捜査のためにこれらを電話で聞き出すことはありません。
- 「資産を確認するので、指定の口座に振り込んでください」「安全な口座に移してください」と言ってくる。そのような手続きは存在しません。
- 「キャッシュカードを預かりに行きます」「封筒に入れて保管してください」と言ってくる。カードを取りに来る警察官や銀行員はいません。
- 電子マネーやギフトカードを買って番号を伝えるよう求めてくる。罰金や保釈金をコンビニの電子マネーで支払う制度はありません。
- 「捜査上の秘密です。家族にも職場にも言わないでください」と口止めする。相談させないための決まり文句で、これが出たら詐欺と考えて差し支えありません。
- 「あなたの名義が犯罪に使われている」「このままでは逮捕されます」と不安をあおり、その場で決めさせようとする。急がせるのは、確認の時間を与えないためです。
注意:すでに口座番号や暗証番号を伝えてしまった場合は、この記事を読み終えるのを待たずに、金融機関の窓口かカード会社の紛失・盗難受付へ電話して止めてください。伝えた内容と時刻をメモしてから連絡すると、手続きが早く進みます。
手順4 家族に話し、警察相談専用電話 #9110 に相談する
口止めされているときほど、話してください。ひとりで判断させることが、この手口のいちばんの狙いです。
相談は無料です。お金を払っていなくても、まだ何も起きていなくても、相談してかまいません。
家族か、身近な人にそのまま話す
「警察を名乗る電話が来て、こういうことを言われた」と、聞いたとおりに伝えてください。うまく説明できなくても、口に出すだけで冷静になれます。
離れて暮らす家族の場合は、電話で構いません。話している途中で相手からまた着信があっても、出ないでください。
警察相談専用電話 #9110 にかける
事件や事故の急を要する通報は110番ですが、「これは詐欺だろうか」という相談は #9110 です。最寄りの警察本部の相談窓口につながります。
平日の日中が基本ですが、時間外は当直や音声案内で対応されます。一部のIP電話などからはつながらないため、その場合は都道府県警察の相談窓口の番号に直接かけてください。
お金や情報を渡してしまったなら、110番と最寄りの警察署へ
振り込んだ、カードを渡した、電子マネーの番号を伝えた、といった場合は被害が発生しています。すぐ110番するか、最寄りの警察署で被害届を出してください。
通話履歴、メッセージのスクリーンショット、振込の控え、購入した電子マネーのレシートとカードを持参してください。捨てないでください。
契約やお金の返金の相談は、消費者ホットライン 188 へ
支払ってしまったお金の返金、結ばされた契約の解約といった相談は、消費生活センターが窓口です。局番なしの 188 で最寄りのセンターにつながります。
警察への相談と重複してかまいません。どちらか一方にしなければならない決まりはありません。
注意:相談したあとも、しばらくは同じ手口の電話が続くことがあります。番号を変えてかけてくるため、着信拒否だけでは止まりません。留守番電話を常時オンにして、知らない番号には出ない設定にしておくと、そもそも会話が始まりません。
手順5 落ち着いたあとにやること(記録を残し、二度目を防ぐ)
ここまでで、被害の広がりは止まっています。残りは、記録を残すことと、次にかかってきたときのための準備です。
- かかってきた番号、日時、相手が名乗った所属と氏名、言われた内容を紙に書き出しておきます。あとから家族や警察に説明するときに、記憶より正確です。
- SNSのメッセージや通話アプリのやり取りは、削除する前にスクリーンショットを撮ってください。削除してしまうと、相談の材料が残りません。
- 同居していない家族、とくに高齢の家族に、今日あったことをそのまま伝えてください。実際にあった話は、注意喚起のチラシより届きます。
- 固定電話は、留守番電話を常時オンにするか、着信時に警告メッセージが流れる機能を使ってください。会話が始まらなければ、この手口は成立しません。
- 「被害を取り返せます」「返金の手続きを代行します」という連絡が、後日来ることがあります。これは同じ名簿を使った二次被害です。費用を求められた時点で切ってください。
- 口座番号やネットバンキングの情報を伝えた心当たりがあるなら、しばらくは明細を週に一度は見てください。少額の引き落としから始まることがあります。
注意:電話を切っただけで何も渡していない場合、警察に相談しても「何もされていない」と思われるのではないかと心配する必要はありません。かかってきたこと自体が情報になります。相談に来る人が増えるほど、同じ地域での次の被害が止まりやすくなります。
よくある質問
- 相手が本物の警察署の番号から電話してきました。それでも詐欺ですか?
- 発信番号の表示は本物に見せかけられることがあるため、表示された番号が正しいことは本物である証拠になりません。確かめ方は1つだけで、いったん切って、自分で調べた警察署の代表番号へかけ直すことです。番号は都道府県警察の公式サイトで確認してください。着信履歴からのかけ直しでは、表示が偽装されていた場合に相手方へつながってしまうことがあります。手間に見えますが、この一手間だけで判断がつきます。
- ビデオ通話で警察手帳を見せられました。本物ではないのですか?
- 画面越しに見せられたものは、本物かどうかを確かめる材料になりません。画像も動画も用意できますし、実物に似せた物を作ることもできます。そもそも、本物の警察官が身分を示すときは、電話やビデオ通話ではなく、その場で直接示します。ビデオ通話で手帳を見せる、逮捕状を画面に映す、といったことが起きた時点で、相手は警察ではないと考えてください。見せられた直後こそ、いったん切ってかけ直してください。
- 「口座が犯罪に使われている」と言われました。確認しなくて大丈夫ですか?
- その内容自体が典型的な入り口の文句です。仮に本当にあなたの口座が事件に関係していたとしても、警察が電話で口座番号や暗証番号を聞いたり、残高を確認させたり、お金を別の口座へ移させたりすることはありません。心配であれば、相手の話ではなく、取引している金融機関の公式サイトに載っている窓口へ自分から連絡して、口座に異常がないかを聞いてください。相手が指定する番号や窓口は使わないでください。
- 家族に言わないでほしいと言われました。従うべきですか?
- 従わないでください。口止めは、相談されると嘘が崩れるために行われます。本物の捜査で、被害者や関係者に「家族にも話すな」と指示することはありません。むしろ、その一言が出た時点で詐欺だと判断してよい合図です。すぐに家族へ話し、警察相談専用電話 #9110 に相談してください。ひとりで抱えている時間が長いほど、相手の言うとおりに動いてしまいやすくなります。
- 高齢の親が同じ電話を受けたようです。何から確認すればよいですか?
- 責めずに、事実だけを順に聞いてください。①相手にお金を振り込んだり、カードや現金を渡したりしたか ②口座番号・暗証番号・ネットバンキングのIDやパスワードを伝えたか ③通話アプリを入れたり、友だち追加をしたりしたか。この3点が分かれば、どこから手を付けるかが決まります。渡していれば手順3の注意書きのとおり金融機関へ、伝えただけでも念のため金融機関へ連絡してください。アプリを入れている場合は削除し、別の端末からパスワードを変更します。そのうえで #9110 へ一緒に相談してください。
今の状況に合わせて、次にすべきことを確認しましょう。
今の状況から次にすべきことを診断する